不動産投資における「築古×土地値」の罠

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先日、久しぶりに物件の内見に行きました。

いわゆる「築古の土地値」物件です。

2棟目獲得に向けて、意気込んで行きましたが…

 

「築古×土地値」物件を内見

僕が内見した築古土地値物件のスペックです。

  • 地方1棟
  • 築29年
  • 軽量鉄骨造
  • 市街化区域
  • 駅徒歩15分
  • 2LDK×2室
  • 全空室
  • 上下水道
  • 駐車場3台(軽自動車なら4台)
  • 販売価格1100万円
  • 土地の路線価900万円
  • 利回り不明

売主様は地主の方で、終活目的の売却でした。

固定資産税評価は建物が一応150万円ほど。

ファミリー層に需要のある地域で、間取りと需要もマッチしています。

外壁のチョーキングも無く、部屋は多少リフォームが必要ですが、水周りが問題なく、使えそうでした。

リフォームとしては

  • クロス張替え
  • クッションフロア張替え
  • キッチンにリメイクシート
  • 和室の畳をプラスチック製に
  • エアコン投入(ガス屋さん経由)

くらいで行けそうです。

1室55000円、敷金礼金1ヶ月分で募集して1年前は埋まったとの事でした。

敷金・礼金ゼロにして、1室60000円では貸せそうです。

満室時想定144万/年、700万〜800万くらいに指値が効けば利回りは20%程度で、悪くない物件かもしれません。

仲介業者の方の事務所に行き、値段交渉となりました。

 

人気地域の「築古×土地値」は注意しよう

先ほどの物件ですが
はい
55000円で貸すとして、年間約120万ですから、リフォーム費用も考えると利回りから弾くと700万円くらいでどうでしょうか
やはりそうなりますか
なりますね
実は同じような話を、投資家の方からは複数頂いておりまして
そうなんですね
その時は売主様からお断りになってしまったんですね
なるほど
とはいえ売主様としても、そろそろ売りたいとは思っているようです
はい
しかしですね、今日の午前に「マイホーム用に1000万で購入したい」と言う方が来られまして
えっ
解体費用が100万円ほどかかりますので、900万円なら可能です
なるほど
それ以下であれば、土地として売却します
(笑)
すみません(笑)
いえ、今日の午前中なら仕方ないです

という事で、まだまだ使えそうな建物は壊されて、土地として売られてしまう事に

今回得られた教訓は

  • 人気地域の「築古土地値」は、土地として簡単に売れてしまう!

という事でした。

当たり前なんですけど、なぜかそれが頭にありませんでした。

ましてや僕の競合になり得るとは…。

 

不動産投資における「築古×土地値」の優位性

不動産投資において「築古×土地値」物件の優位性は

バランスシートが良くなる

事にあります。

簿価で900万円の土地、固定資産税評価額で150万円のアパートを、合計700万円でローンを組んで購入できれば

資産=1000万円
負債=700万円
純資産=300万円

というバランスシートになり、購入しただけで純資産が増加します。

さらにキャッシュフローも生む事ができれば、最高です。

このような「築古×土地値」物件は、自己資金を投入してでも購入して良いと思います。

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不動産投資における「築古×土地値」を購入するタイミング

不動産投資において「築古×土地値」物件を購入するタイミングは

バランスシートを改善したい

時です。

投資の初期段階では、やはり

債務超過になら無い範囲でキャッシュフローが出る

事が大事です。

いくらバランスシートが良くても、キャッシュフローが出なければそこから先は自己資金の投入が必要になるからです。

ROEを下げないためには、自己資金投入も抑えるべきです。

逆にいえば、ある程度キャッシュフローが回っていて

そろそろバランスシートを良くしたいな

と思った時に、築古×土地値物件を購入するのはアリだと思います。

 

僕が「築古×土地値」をアリだと思った理由

僕は法人を所有していますが、1棟目のキャッシュフローは一応回っていて、かつ自分のビジネス自体もまわっています。

不動産熱が高まっている今、大きな賭けに出るのはいささか気が引けますよね。

こういった環境で「築古×土地値」物件を購入するのは

  1. バランスシートを毀損しない
  2. 銀行からの信用余力を維持
  3. セルフリフォームで大家力アップ

という、3つの大きなメリットがあるので、僕としてはアリだと思っていました。

そして「実需」という大きな壁に潰されました(笑)

築古×土地値物件は、売却時には「土地として同程度の価格で売却できる」わけなので、売却時には「実需」は味方になります。

しかしながら、購入時には「実需」が敵になります。

築古×土地値物件を購入検討する際、あまりにもキツい指値や条件交渉は効かない事が多いので

指値をして美味しい物件へと作り変えよう

と思っていると、購入できません。

今回も1つ、大きな勉強をさせてもらいました
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