いきなりですが、皆さんは高い時計を持っていますか?
僕は持っていません。
少なくとも現段階で高い時計を購入し身につける、という事が全くもって低ROI(Return on investment)だからです。
将来的に、自分が働かないでお金が余る状態になれば、買っても良いかもしれませんけどね。
とはいえ僕のいる病院の世界、こと医者の世界では、単なる勤務医のクセになぜか高そうな時計をつけている人がいます。

医師のような高収入な人が高い腕時計を持つ意味
例えば年収1500万の人が高い時計を購入した場合を考えます。
時計の中でも「高い時計」がいくらなのか、というのは難しいですが、かの有名なロレックスを買ったとします。
Amazonでロレックス デイトナと検索すると、概ね200万くらいの時計が出てきます。
さて、年収1500万という事は、手残りの年収としては1100万くらいでしょう。
概ね手残り年収の20%を貯蓄できれば良いとされているので、220万/年が余るお金だとします。
ほぼロレックス代で消えますね 笑。
つまり年収1500万の給与所得者がロレックスを買うとすると、「丸1年働いて手元に残るお金全て」をつぎ込む事になります。
これは何を意味しているかといえば、自分の人生1年分をロレックスと交換している事になるわけです。
年収1500万という高給取りでさえ、自分の時間を1年売らないとロレックスを手にする事ができないわけですが、果たしてそこにそんな意味があるのでしょうか。
高収入の人は一見収入が高く、高い時計を購入するのに適しているように見えます。しかしながら実際は税金で結構手残りはそれほどですし、生活レベルもそれなりに高いので思ったよりも余剰金はありません。
そんな高収入の人は、日々が忙し過ぎて「時間」の方が時計なんかよりも欲しいのでは、ないでしょうか。
高収入の人が時計を買うという事は、自分の時間をゴソッと売っているという事に他なりません。
昔の高級時計の役割と意味
もう僕の世代では「高いを時計を身につける事」が決してステイタスだとは言い難い時代ですが、僕の親世代ではそうではありませんでした。
今のように携帯やスマホが無い時代、時計は社会生活を送る上で欠かせない存在でした。
中でも壊れにくく、耐久性が高く、かつ正確な時を刻む時計は、重宝されたそうです。
結果的に「高くても良い時計」を持つことは、それなりに意味のある事だったでしょう。
社会的に成功し時間が貴重になればなるほど、伴って正確な時を刻む丈夫な時計が貴重であるわけですから。
今の時代の時計の役割と意味
しかし時代は変わり、時計といってもどれも壊れにくくて正確な物になりました。
さらに時代は進み、携帯電話やスマホにある時計で時間の把握は代用されるようになります。各種アラームなどの機能ともリンクして、スマホの時計は社会生活に組み込まれました。
もはや旧来の時計を身につける必要性は、ファッション性以外に何もありません。
スマートフォン1つにあらゆる機能が集約されました。スマホ1台で携帯電話、カメラ、時計、パソコン、雑誌や新聞や小説、様々な役割を果たしています。
おそらく今後はスマートフォンが「時計」のような、身につけるデバイスになると思います。
その現象は2019年現在、既に見受けられますが、さらに進行する事でしょう。
そういう時代の進化の中で、もはや必要性が失われた高級時計。あくまでファッションの一部としての役割は担っていますが、それに丸1年の労働時間を捧げるのが正しいのでしょうか。
つまり
200万のジャケットを買うために1年働けるのか?
という事です。
時計はもはやファッション、Tシャツやジャケットを買うのと変わりがありません。
それを買うために、1年の労働によって生み出された余剰金全てを吐き出す事ができるのか…。
僕ならAmazonでスマートウォッチを1万円くらいで買って、あとは投資に回します。
換金性の高い高級時計は医師にとって資産か?
とはいえ、ロレックスのサブマリーナなどは、買値と売値の乖離がほぼありません。
つまり流動資産とも言えるでしょう。
こういった時計を買って、いざという時に売却し現金に変える。これならば価値は保存されます。

どんな医師なら高級時計を買っても良いのか?
じゃあ一体どれくらいの経済状況になれば高級時計を買っても良いのか、というと、僕は「一切自分の時間を売らなくても年収1000万を超える人」だと思います。
つまり働く必要が一切無い人。
方法は株の配当であったり、不動産だったり、自分でストック性のあるビジネスの収益だったり。
これらを組み合わせても良いでしょう。
自分の時間を切り売りする事なくキャッシュフローがあるならば、その余剰キャッシュで高級時計を買ったとしても、自分の時間を売る事にはなりません。
人生で一番貴重な資産は時間です。
時間を売るほど「ファッションとしての高級時計」に価値は、絶対にありません。
まずはそのフローを作り出す努力をして、自分の労働時間が生み出した価値を使わない。ここから始めるべきでしょう。
ただし、そのための「タネ銭集め」としてのバイトは効率的で有効です。
何もバイトを完全否定しているわけではありませんので、ご理解下さい。
せめて貯金を切り崩して時計を買うのでは無く、余分にバイトを入れて余剰資金で時計を買う、くらいにしておきましょう。
貯金という、投資のタネ銭にもなる大事お金を、決して無駄にしないように。