医師が会社を作るにあたって、気になるのはどういった形態の会社にするべきか、ではないでしょうか。
具体的には
- 個人事業主
- 合同会社
- 株式会社
のどれにするか、という事です。
僕も事業を持つ身として色々調べ、考えました。
医師が起業する場合、個人事業主・合同会社・株式会社どれにするべきか?
医師が事業を起こすとなれば、大きく分けて下記の3つのどれかに分類されます。
- スモールビジネスから始めて徐々に大きくする場合
- ベンチャーを作ってフルコミットする場合
- 資産管理目的の会社を作る場合
場合分けして考えてみようと思います。
医師が自分でスモールビジネスから始める場合
お金を借りたりする事無く、人もそれほど雇わない。少しずつ利益が出てきてどんどん大きくなって…という形で、スモールビジネスを自ら作り出して始める場合、まず個人事業主からスタートすれば良いと思います。
実際僕もこのパターンでしたが、個人事業主から始めました。
多くの開業医の先生もこれに当てはまるのではないでしょうか(開業には医療法人というオイシイ会社形態がありますが)。
いきなり株式会社にしても、年間のコストが30万くらいはかかりますから、少なくとも手残りの利益がそれくらいは無いと株式会社にすると赤字になってしまいます。
利益が出てきて、年間の売り上げが1000万を超えると税制上会社に変えた方が有利なので、その辺りで会社にするのが効率的です。
その時合同会社にするか、株式会社にするかという事は要相談です。
株式会社はコストがかかったり多少法律が面倒なデメリットもありますが、メリットもあります。
人を雇ったり、取引先が増えてきて来ると、どうしても会社としての信用が必要になります。色々な理由から「株式会社」という肩書きが必要になる時が来るかもしれません。
株式会社のメリットを利用しないような、自分1人でできるような、スモールビジネスのまま行うのであれば合同会社でも良いでしょう。
税制上のメリットと社会的信用の必要度、この2つのバランスを考え会社化するタイミングを見計らいましょう。
医師がベンチャーを作ってフルコミットする場合
ベンチャーという形で、将来的に会社として大きくしたくて、全力でその会社の成長のためにお金や時間を投入するのであれば、最初から株式会社にするべきです。
株式会社は社会的な信用もありますし、設立してから長く年月が経てば銀行からの評価も高まります。うまく経営できているという証になりますので。
また株式会社は株式発行による資金調達が可能になります。スピード感が重要なビジネスでは間違いなく大きな武器になりますので、株式会社にするべきです。
この場合は最初の頃は多少の赤字を覚悟、つまり身銭を切るのを覚悟でやる必要があるので、一大決心ですね。
医師が資産管理会社を作る場合
ある程度成功したお医者さん向けですが、蓄積した資産を管理するための資産管理会社という形態があります。
例えば資産を1億円持っていたとします。
株式で年間3%運用すると300万ですが、配当金などにかかる税率は一律で20%ですので実質年間240万しかもらえません。
この1億円を資産管理会社に移行して、年間300万の利益を生み出して、その300万の利益から諸処の経費を差し引いて、残りの利益を奥さんや子供などに役員報酬として渡せば、実質的に税金がほとんどかからないでしょう。
これは300万の利益に対して経費が参入できる事、残りの利益を「稼いでいない個人」に転化する事で実質的な税率を下げる事で税効果を発揮しています。
こういった資産管理会社を作る場合は、合同会社が良いと思います。
会社としては別に大きなビジネスをするわけでもないので、拡大傾向はありません。
ですので社会的信用も必要なければ、株式発行の可能性もゼロでしょう。株式会社にするメリットはほとんど無し。
コストもかかりますし、株式発行とか役員選任とか運営が少しややこしくなります。
資産管理会社は合同会社が良いですね。
医師が起業する時に使える便利なサービス
当たり前なのですが、個人事業主として登録、開業するには少し手間がかかります。
慣れない作業なので、税務署に何回も行く羽目になるかもしれません。
まして医師は日常業務が忙しいので、平日の昼間に税務署に行く、なんて事は滅多にできません。
そこで便利なのが開業freeeというサービスです。
いくつか質問に答えて、必要事項を入力して印刷すれば提出書類が一式揃います。
そのまま郵送しても良いですし、心配であれば税務署に直接提出しに行っても大丈夫です。
料金はなんと無料です。
また同時に会計ソフトfreeeというクラウド会計ソフトとリンクすると、そのまま帳簿付けもできます。
僕も使っていますが、非常に簡便で素人にもわかりやすい、優れたUIです。
事業用口座をソフトにリンクさせて、事業の支出は全て事業用口座から引き落とされるクレジットカードにすれば、ほぼ完全自動で帳簿もつける事ができます。レシートや領収書をスマホで撮影する必要はありますけどね。
収入も1度取引先を登録すると、自動で仕訳してくれるのでこれまた便利。
無料で利用できるので、開業直後、資金も取引が少ない時はこの方法をオススメします。
まとめ
- スモールビジネスから始めて徐々に大きくする場合
→個人事業主スタート、機を見て株式会社化 - ベンチャーを作ってフルコミットする場合
→株式会社 - 資産管理目的の会社を作る場合
→合同会社 - 開業するなら無料の開業freeeが便利
- 同時に会計ソフトfreee
とリンクすると、そのまま帳簿付けも可能なのでオススメ