医師が家を建てる、マイホームを買う時に知っておくべき事

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皆さんはマイホームの購入を考えた事がありますか?

建売を買うか、家を建てるか。

どの土地にするか、どの建築会社にするか。

本当に様々な組み合わせがあって、悩みますよね。

建築会社と土地を決めても、注文住宅のようにすると決めなければならない事が山のようにあります。

今回は医師が家を建てる、マイホームを買う時に注意しておきたい事についてです。

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医師が家を建てる、マイホームを買う時の落とし穴

先日このようなツイートをしました。

思いの外皆さんから反響があり、驚きました。

色々な反応がありましたが、正直僕の伝えたかった意図があまり伝わっていないような印象を受ける反応もチラホラ。

僕が思う、医師が家を建てたりマイホームを購入する際にハマりやすい落とし穴は

  1. 高値で土地を買ってしまう
  2. 変な土地を買ってしまう
  3. 建築費でボラれる
  4. 土地と建物の金額差が大きい

この4つです。

 

医師がマイホームを建てるなら、土地の適正価格を気にしよう

マイホームを建てるにあたって、土地を購入しなければなりません。

しかしこの土地という商品、いくらで買うべきか知らない医師が多いと思います。

実はこの「土地の値段」は、国がある程度指標となる値段をつけているのをご存知でしょうか。

それを「路線価」と呼びます。

 

土地の適正価格、路線価とは

国税庁のホームページで、面している道路ごと「平方メートル単価いくら」と地図上で表示されています。

路線価は定期的に更新されており、人口が増える地域や景気が良い時は、路線価が上昇します。逆の場合は下落します。

この路線価は何を表しているのか。ズバリ「資産としていくらの価値があるのか」です。

例えば5000万で土地を買ったとします。

路線価で計算してみると、3500万の価値しか無かったとしましょう。

この土地の価値そのものは3500万円なので、例えば相続で子供にその土地が渡った場合、相続税の計算としては「子供に3500万の価値のある土地が渡った」と判断されます。

仮にこの土地を担保にして追加で銀行から借り入れを行うとすれば、銀行側からすると「3500万円といつでも交換できる土地だな」と思い、融資の条件を考えるわけです。

つまり土地を購入するならば、路線価に限りなく近い価格で購入する事が理想。

実際は不動産仲介業者の利益が上乗せされていたり、路線価より少し高い値段で土地を買う人がたくさんいるため、中々路線価で土地を購入する事はできません。

そこは売主と交渉次第、テクニック次第です。

僕は1棟目の投資用アパートを購入する際、土地部分は路線価で購入しました。

上記の例で言えば、3500万円の価値がある土地に対して、3500万円で購入しているので、実際には1円も資産は減っていない事になります(3500万円の価値が、日本銀行券から土地に移動しただけ)。

路線価で買う事ができないとしても、路線価とかけ離れた高値で購入するのはなるべく避けましょう。

関連記事:不動産投資初心者が、最初の物件選びで失敗しないために

 

路線価と市場価格が乖離する土地もある

しかしながら、この路線価も完璧な指標ではありません。

路線価と市場価値が大きく乖離する地域があります

ど田舎と大都会です。

ど田舎の場合、国が定めた路線価に比べて「土地の不人気具合」が高く、実際に購入する人はほとんどいないため、市場価格は路線価よりも低い傾向にあります。

大都会の場合はその逆で、路線価に比べて「土地が人気」のため、購入希望者が多いため値段が釣り上がります。大都会の土地の市場価格は、路線価よりも高い傾向にあります。

その土地がどれくらい「乖離」しているのかは、似たような土地の「平方メートルあたりの市場価格」との乖離率を計算すれば、導き出せます。

例えば路線価が10万円/㎡の土地に対して、自分の購入希望土地の周辺が平均して8万円/㎡で取引されていれば、実際は路線価の80%くらいで取引される過疎地域である可能性が高いでしょう。

路線価はあくまで指標の1つに過ぎませんが、全国共通の認識指標として使えるので、ぜひ参考にしてみてください
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医師がマイホームを建てるなら、変な土地を買わないように

土地を買うにあたって、変な土地を買わないようにしましょう。

個人的に避けるべき土地は

  • 市街化調整区域
  • 旗竿地
  • ハザードマップでの危険地域

です。

 

避けるべき土地1、市街化調整区域

市街化調整区域とは、読んで字の通り「市街化が禁止されている」土地の事です。

全ての土地はその町の行政が、その土地をどのような土地に変えていきたいのか、計画が書かれています。

市街化区域では、どんどんお店が増え、街全体が活性化していきます。

市街化調整区域では、基本的に新しいお店の出店は抑えられており、街全体の活気は無くなり、人も減り土地の値段も下がる可能性があります。

 

避けるべき土地2、旗竿地

旗竿地(はたさおち)も避けるべきです。

旗竿地とは、道路に接道している面積の少ない土地の事です。形がまるで竿の先端に旗がついたように見えるため、こう呼ばれています。

竿の先端部分が道路に面してるので、道路に接道していない「旗」の部分の面積が大きく、土地全体に占める「道路に接道している面積」が少ないのが特徴です。

土地というのは、同じ路線価でも「接道面積が大きい土地」の方が、市場価値が高いとされます。

考えてみれば当たり前です。

道路に接道していれば、コンビニやお店も開きやすいですし、駐車場としての価値も出ます。

一方で道路に接道していない土地は、どこかしら他人の土地を通って中に入らなければならないわけで、使い勝手が悪いんです。

ですので、路線価に対して市場価値が低くなってしまう旗竿地は避けましょう。

 

避けるべき土地3、ハザードマップでの危険地域

国土交通省のハザードマップポータルサイトで発表されているハザードマップにおいて、危険地域とされている土地は購入しない方が良いでしょう。

ハザードマップの危険地域の多くは

  • 川の氾濫
  • 津波

などの水害が発生した際、被害が及ぶ範囲です。

せっかく良い家を建てても、水害でぶっ壊れたら意味がありません。

 

医師がマイホームを建てるなら、建築費は適正価格で

土地に路線価という適正価格があるように、建築費にも適正価格というものが…あります。

不動産投資家の世界で有名な、建物部分の再調達価格は

木造、軽量鉄骨=15万/㎡
重量鉄骨=18万/㎡
RC=20万/㎡

とされています。

ここで先ほどのツイートを見てみましょう。

木造の新築で、建物の建築費が37万/㎡の異常な高さが理解していただけるでしょうか。

2.5倍ですよ。同じ値段であと1棟以上建ちます。

とはいえ、建築業界の人手不足など経済状況によっても大きく左右されるので一概には言えませんが、木造で37万は高過ぎです。

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医師がマイホームを建てるなら、土地と建物の価格比を考えよう

いきなりですが、AとBどちらの家が資産性の高い家でしょうか?

A:土地5000万、建物5000万、合計1億
B:土地3000万、建物7000万、合計1億

なお、各々土地は路線価、建築費の平方メートル単価は同じだとします。

どちらも購入価格は同じ1億円の、木造住宅です。

***

ズバリ答えはAです。

なぜならば、将来的な資産価値は以下のようになるからです。

A:土地5000万、建物0、合計5000万
B:土地3000万、建物0、合計3000万

実際は、土地の値下がりや値上がりがあるので一概には言えませんが、概ねこうなります。

こうなる理由は、建物には耐用年数があるからです。

現在、建物の耐用年数は以下のようになっています。

軽量鉄骨=17年
木造=22年
重量鉄骨=34年
RC=47年

この年月をかけて、建物の価値はゼロになるわけですね。

つまり先ほどの例では、22年以上経過してしまえばAもBも建物部分の価値はゼロになるので、全体に占める土地の価格が高いAの方が合計資産としては価値が残るわけです。

例えば11年経過した際の価値は

A:土地5000万、建物2500万=7500万
B:土地3000万、建物3500万=6500万

です。

Bの方が、時間あたりに減っていく資産が大きいんですね。

土地と建物の価格のバランスが悪い、特に建物部分にお金をかけ過ぎると、将来的な資産の目減りが大きいためオススメしません

良い家を建てるなら、良い土地に
土地に見合ったグレードの家を建てましょう

 

マイホームを建てる医師に伝えたい事

マイホームを建てるならば、家族にとっての使い心地などは優先されるべきです。

しかしながら自分の年収と照らし合わせて、資産性の高い買い方をするのも大事です。

僕の知り合いの不動産投資家は、自宅を競売で購入しました。

計算してみると

  • 土地は路線価以下
  • 建物部分の価値はゼロ

でした。

つまり建築費は実質ゼロ円。

もちろんそこから内装を変えているので、建物部分に費やしたお金はいくらかあります(床は大理石で謎のアートが点在しているので、多分結構高いです)。

それにしても安い買い物だったと思います。

この記事に書いてある事を守りつつ、妥協点を探りながらよく考えるのをオススメします。

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