昨今、FIREという言葉をよく耳にするようになりました。
FIREは炎の事でもなければ、発砲射撃するという意味でも、クビという意味の動詞でもありません。
FIREムーブメントとは
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で「経済的に独立し早期リタイアする」という生き方の事です。
FIREムーブメントの火付け役は、Mr.Money Mustacheというサイトを運営しているPete Adeney(ピート・アデニー)さん。
彼は20万ドルの家と、60万ドルの資産が貯まった後、30歳で会社をリタイアしました。
FIREの方法は単純で、若い時から支出を抑え蓄財し、控えめな家に住み、贅沢を控える。
これだけ。
4%ルールという、蓄財した資産の4%までなら年間支出として使って良いというルールがあります。
逆に言えば、年間支出の25倍は蓄財してからFIREしようという事ですね。
こうする事で支出入をコントロールし、働かなくても生きていける状態を作り出します。
アメリカで一大ブームとなったFIREムーブメント
この生き方は「FIREムーブメント」として2018年、20代から30代の若者のギーク(IT業界で働くオタク)の間で流行しました。
サンフランシスコ周辺は世界中のIT企業がこぞって集結していて、平均年収は1000万を超えています。
しかしながらその生活費も当然高く、年収が何千万あっても裕福な生活とまではいかないのが現在です。
そういった中で
- 支出を抑えれば裕福な生活ができる
- 仕事はIT系だから田舎でもできる
という考えから、FIREムーブメントが一大ブームとなるのは当たり前だったのかもしれません。
FIREを達成する方法
FIREを達成する手順は、以下の通り。
- 経済的自由を得る
- 早期リタイアする
- 自分が本当にやりたい事だけをやる
- 自分の人生を自分の物にする
最初にまず、経済的自由を得る事を目指します。
収入を増やし、支出を減らす。
蓄財速度を上げ、経済的自由をなるべく早期に達成する。
これが最初の壁です。
その中でも、手っ取り早いのが節約と税金対策。
カテゴリ別で書いてありますので、良ければ目を通してみてください。
経済的自由を得て早期リタイア…FIREは高所得者だけのもの?
とはいえこの「経済的自由を得る」という壁が厚いのは、皆さんご存知の通りです。
アメリカでも
FIREができるのは高所得者だけだ!
という批判が相次いだようです。
確かに、高所得者がFIREを達成しやすいのはその通りでしょう。
高い給与所得を得ながら、質素倹約に努め蓄財すれば良いだけですから。
しかしながら、給与所得が高くなくてもFIREできるのが今の時代ではないでしょうか。
今の時代、インターネットを使った副業など山ほどあります。
そもそものFIREムーブメントの原点は、IT業界で働くオタクたちです。
彼らのようなスキルを身につけ、後をなぞるようにしてインターネットの世界に羽ばたけば、いつか彼らに追いつく事ができると思います。
FIREの本当の目的は、経済的自由ではない
FIREの目的とは、一体何でしょうか。
どういった人がFIREを目指すのでしょうか。
FIREの手順は
- 経済的自由を得る
- 早期リタイアする
- 自分が本当にやりたい事だけをやる
- 自分の人生を自分の物にする
です。
FIREの目的は、一見すると経済的自由を得る事に見えます。
しかしそれは大きな間違いで、経済的自由を得る事は単なる手段に過ぎません。
FIREの目的は早期リタイア、時間を手にいれる事
FIREの目的とは、自分の人生を自分の物にする事だと思います。
先日、以下のようなツイートをしました。
僕は決して金が全てだとは思ってはいません。
ただ、若くして金を持つ事は、残りの人生を自由に生きる権利を手にする事と同義で、将来労働として消費されてしまう時間を買えるんです。
だから若い時こそ、金を優先する。
時間を手に入れるために。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) 2019年5月31日
つまりはそういう事です。
経済的自由を得て、嫌な仕事はやめて、時間を手にいれる。
自分の本当にやりたい事だけをやる。
自分の人生、全て自分のやりたい事だけをやる人生に変える。
これがFIREの目的です。
この状態を手に入れたい人が、FIREを目指すべきです。
一見矛盾してるんですよね。
金が本質ではない事を理解して起きながらも、手段として時間と交換できる唯一のモノ。
だから金をかき集める事に注力する。本当は要らないけど。
この矛盾を抱えたまま、歯を食いしばって努力し続ける人間こそが自由と時間を手に入れる事ができる。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) 2019年5月31日
経済的自由ではなくても、FIREを目指す必要がない人
逆に、今現在で既に「やりたい事だけに集中している」人は、FIREを目指す必要がありません。
経済的自由である必要もありません。
例えば
自分が生きていけるだけの農作物を自分で作り、農業が自分にとっての「やりたい事」である
という人がいたら、FIREを目指す必要はありません。
既に自分やりたい事だけをやっていて、今のまま生きていけるからです。
農業をやっていればそれで最大満足なのですから、経済的自由である必要もありません。
他にも
絵を描くのが好きで、お金持ちがパトロンになってくれるので絵だけをひたすら描けば良い
とか
漫画を書くのが好きで、漫画がある程度売れたのでひたすら漫画を描き続ければ生きていける
とか、こういう人はFIREを目指す必要はありませんね。
しかしながらそういう人は少数派。
多くの人がFIREを目指したいはずです。
昨今FIREムーブメントに注目が集まっているのは、FIREが可能な環境と、既にFIREを達成した実例があるから。
逆に言えば、それらを模倣すれば達成可能なはずです。
僕も自由を手にいれるべく、FIREを目指して努力を続けます。
一見矛盾してるんですよね。
金が本質ではない事を理解して起きながらも、手段として時間と交換できる唯一のモノ。
だから金をかき集める事に注力する。本当は要らないけど。
この矛盾を抱えたまま、歯を食いしばって努力し続ける人間こそが自由と時間を手に入れる事ができる。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) 2019年5月31日