皆さんこんにちは。
僕は日々、医師の人生を最適化させる戦略についてアレコレ考え実行しています。
医師人生を最適化するにあたって、避けて通れないのは「医師という仕事の特殊性」です。
医師という職業の性質は、他のサラリーマンとは大きく異なります。
- 医師には「雇用主が倒産してクビ」が無い
- 医師の給料は景気に左右されにくい
- 医師は相対的に若い頃の給料が高い
など、色々あります。
そんな特殊な職業である医師が、医師という職業の特殊性を逆手に取って、人生を最適化させるためにできる事は一体何でしょうか。
まずは、NIPWを最大化させる方法が1つ。
今回はそれに加えて、もう少し大きな話を。
- 関連記事:医師の働き方改革2.0ーNIPWを考える
忙しい医師にはどんなポートフォリオが良いか
ポートフォリオとは、投資における「組み合わせ比率」の事で、つまりは
- どんな資産に
- どれくらいの配分比率で
資産を割り振るか、という事です。
具体的には
- 日本株30%(銘柄Aに10%、Bに5%、Cに3%…)
- 外国株10%(インデックスファンド)
- 国内不動産30%
- 外国ドル建て債券20%
- 現金日本円10%
とか、そんな感じ。
こういった投資のポートフォリオについて、医師にとってどんなポートフォリオが良いのかという議論は良くされます。
忙しくて日中は相場がチェックできないから、高配当中心で放置が良い
とか
優待株だけ放置で後は自力で触るべし
とか
せっかく資金が十分あるんだから一攫千金狙ってグロース株中心で
などなど、様々な意見があります。
今回は、こういった狭義の投資ポートフォリオの話ではありません。
医師人生そのもののポートフォリオを考える
株式投資の中で、どんな株を組み合わせるかという「狭義のポートフォリオ」よりも、もっと大事なポートフォリオがあります。
それは
- 医師人生のポートフォリオ
です。
先日このようなつぶやきをしました。
お医者さんの資産戦略で大事なのは、多様性を持つ事かもしれません。
株、不動産などの金融資産
医者としての労働力=人的資産これらを時代背景に合わせて変化させ、最適なポートフォリオを組む。
医者人生の最適化の解は、NIPW以外にもあります。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) 2019年6月29日
各投資手法における「狭義のポートフォリオ」について考えるよりも、まずは大きな視点で見た「広義のポートフォリオ」を考え最適化する事が、医師人生の最適化には大きく影響するのではないか、という話です。

狭義のポートフォリオよりも、まずは広義のポートフォリオを
これは持論ですが、エリートほど細かい事を考えたがります。
細かい事を考えていると
- 細かい事考えられてる俺かっけー
- 細かい事考えられてる俺ってスゴい
- こんだけ細かい事考えてれば他の人はマネできまい
みたいな、プライドと自尊心を満たすための「細かいことを考える」になっている人が、少なからずいるでしょう。
しかしながら、より大事なのは大枠です。
大きな事ほど考えにくく判断が難しく、また動く金額も大きい。影響も大きい。
どの野菜を買うかスーパーで考えるよりも、どのパソコンをいくらで買うか。
どのパソコンを買うかよりも、どの車をいくらで買うか。
どの車を買うかよりも、どの不動産をいついくらで買うか。
どの不動産を買うかよりも、誰と結婚するか。
大きな事ほど判断が難しくなりますが、影響も大きくなるため、大きな事ほどよーく吟味して慎重に決めるべきです。
しかし、なぜか投資という話になると「あの銘柄が〜」という狭義のポートフォリオについて語られる事が多いのも事実。
医師人生の最適化を目的とするならば、まずは広義のポートフォリオについて吟味し実行するべきでしょう。

忙しい医師特有の「投資ポートフォリオ最適化」について
具体的に考えましょう。
医師という仕事の特殊性をまとめると以下のようになります。
医師の金融資産
- 若い頃から潤沢
- 年を重ねる毎にエリートサラリーマンに抜かれる確率が高まる
医師の人的資産
- デフレに強い
- インフレに弱い
- 基本的に日本円
- 価値の構成要素は「医師免許」と「肉体」
これらを踏まえた上で、医師人生の「広義の投資ポートフォリオ最適化」を考えます。
医師は若い頃にお金がある
基本的に、20代で年収1000万を超える職業はかなりレアです。
普通のサラリーマンでは無理でしょう。
あるとすれば、飛び抜けて成績の良い不動産の営業とか、保険の営業くらいでしょうか。
医師は他の職種と比べて、若い頃に手にするお金の量が比較的多いんですね。
しかし将来的には、エリートサラリーマンに抜かれていく可能性の方が高いです。
つまり医師は「サラリーマンなら将来手に入るはずのお金」を、未来から前借りしていると考えるべきです。
だとするならば、若い頃に手に入れた金融資産を浪費してしまうのは、投資戦略としては愚策です。
せっかく将来の前借りができるのですから、キッチリ運用すべきでしょう。
- 関連記事:株式投資の初心者にオススメしたい本10冊
医師の人的資産はデフレに強く、インフレに弱い
医師の労働力、人的資産について考えます。
医師の給料は、景気が悪い時も良い時も、あまり変わりません(一部美容業界などを除く)。
国の医療費が給料の大元であって、医師の給料を決めているのは国だと言っても良いでしょう。
ある意味、国家公務員的な性質を持っています。
これはつまり、デフレに強くインフレに弱い事を意味しています。
景気が悪い時、デフレの時は、会社に所属するサラリーマンの給料は停滞します。
一方の医師は、景気が悪くても(あまり)関係ありません。
景気が良い時、インフレの時は、会社に所属するサラリーマンの給料は増えます。
物価も上がりますが、その分給料も増えるので、生活感としては変わらないでしょう。
一方の医師は、景気が良くても給料に反映されにくいため、物価の上昇による生活感の圧迫があると想定できます。

これらを踏まえると
- デフレ時は人的資産に注力し、他者より効率良く労働力で稼ぐ(バイトを頑張る)
- インフレ時は若い頃に得た金融資産を「デフレに弱くインフレに強い」資産へと変換、相対的に経済効率の下がった人的資産への注力はストップし、「広義の投資ポートフォリオ」を組み直す
事が重要だとわかります。
しかしながら、デフレから脱却しインフレ局面へと振れるタイミングを正確に予測するのは難しいので
- インフレ局面へのヘッジができて、かつそれほど目減りしない資産
をデフレ時から持つのが最高戦略です。
具体的には
- 景気に左右されにくくストック性が高い、BS上借入金が少なく割安な株を現金買い
- 積算価格以下で明らかに安い、CFが出る不動産を借り入れ買い
- インフレ時の価格高騰が明らかな、東京一等地の不動産を現金買い
などですね。
デフレの時は、これらの資産を探しながら買って増やしつつ、あとはガムシャラにバイトをすればオッケー。
インフレの時は、家賃を上げたりしてインフレに対応しつつ、労働は減らす。インフレが終わりそうな時に一旦資産を売却する。
これが医師の人生における「投資ポートフォリオの最適化戦略」です。
医師の人的資産、根本価値は医師免許と肉体
医師の人的資産の価値を因数分解すると
医師免許×頭脳×健康な体
になります。
頭脳は「健康な体」に含まれると考えれば、基本的な構成要素は医師免許と肉体です。
このどちらかが損なわれた時、医師という人的資産の価値は激減します。
医師という人的資産の価値を損なわないようにするためには
- 医師免許を守る
- 健康な肉体を守る
事が、重要な投資戦略になります。
具体的には
- 犯罪を犯さない
- スキャンダルに巻き込まれない
事と
- 食事には気をつける
- 定期的な運動をする
- 精神的な健康を保つ
事が重要です。
どんなに美人でもメンヘラ女とはセックスしない。
カップラーメンばかり食べない。
週2回はジムで運動する。
精神衛生上良い事はする。
これも医師という人的資産の価値を保つための、重要な投資戦略です。