勤務医は、まず事業所得を作るべき。
僕は常々こう思っています。
先日このようなツイートをしました。
医師の税金対策って、とどのつまり2つの要素しかなくて
1、法人経由でのキャッシュフローを増やす
2、給与所得を減らす(働かない)
しかないんです。
これは全ての勤め人に当てはまります。もはや医者がどうとか無関係です。
他の事は全て枝葉か、効果があっても無視できるほど影響が軽微。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) August 22, 2019
生命保険とか、ふるさと納税とか、NISAとかidecoとか、小手先のテクニックはたくさんありますが、本当はどうでも良いんです。
どれも影響が軽微で「積もっても大した山にならない、チリ」です。
本当に効果的なのは、法人経由の所得を作る事。
即ち事業所得を作る事です。
勤務医こそ事業所得を作るべき理由
勤務医こそ、とにかく事業所得を作るべきです。
理由は簡単です。事業所得から、経費を使えるからです。
ポイントは2つ。
- 事業所得は税引き前のお金を使える
- 勤務医は所得税率が高い
です。
1、事業所得は税引き前のお金から経費を使える
例えば車を買う場合を想定してみましょう。
500万円の車を給与所得から買うのには、税引後の手残りが500万円無ければいけません。
勤務医であれば、700万円くらい稼がなければならないでしょうか。
700万円の給料をもらって、200万円の税金を払って、500万円残って、やっと車が買えます。
事業所得であれば、500万円の車を経費で買うのに必要な稼ぎは、500万円です。
事業所得を500万得て、税金を支払う前に500万円の車を買って、終わりです。

2、勤務医は事業所得によるメリットが普通の人より大きい
先ほどの車の例。
500万円の車を買うのに、普通のサラリーマンであれば、必要な給与所得は600万円くらいでしょうか。
600万円の給料をもらって、100万円の税金を払って、500万円残って、サラリーマンは車が買えます。
勤務医の場合、700万円くらいだと試算しました。
勤務医は普通のサラリーマンよりも税率が高いので、事業所得によるメリットが普通の人よりも大きいです。
つまり「"税引後の目標額"を手にするために必要な給与所得」が、普通の人よりも高いんです。

勤務医はまず事業所得を作る際の注意点
こうやって見ると、事業所得ってズルいですよね。
税引き前の状態のお金で、色々経費にできるなんて、明らかにおトクですからね。
税金対策を目的に、勤務医が事業所得を作る。
なんだか気が引けてしまいますよね。
しかし、キチンと事業として認められるような内容で、事業所得を稼ぐのは、勤務医であっても誰であってもルール違反ではありません。
キチンとした方法で事業所得を得て、事業に関係のある範囲で経費を落とすのも、何も問題がありません。
勤務医が事業所得を得る上で注意したいのは
- 勤務医としての給与所得を「無理やり事業所得とする」事は避ける
事です。
例えば
- 健診医のバイト代
- 当直医のバイト代
- 産業医のバイト代
- その他バイト代
などを事業所得にするのは、かなり黒に近いグレーです。
というか黒です。僕はオススメしません。
上記の所得は、個人の労働力による収益であって、事業所得と言うよりは給与所得です。
産業医による「会社の労働環境を改善する総合サービス」をパッケージとして販売するのであれば、それは事業所得と言えるのかもしれません(詳しくは税理士さんへお願いします)。

ある勤務医はこうして事業所得を作った
僕は勤務医をやりながらブログを始めて、徐々に多角的に展開、広告収入を年間数百万単位で得るようになりました。
同時にInstagramやTwitterなどのSNSを駆使した、インターネットマーケティングも展開。
不動産を取得し、不動産賃貸業も開始、法人設立に至りました。
社員は僕1人ですが、仕事の多くをアウトソースしており、間違いなく「事業所得」だと言えるレベルにまで到達しました。
不動産に関しては「5棟10室」が事業レベルだと言われています。アパート2棟くらい買えば10室は超えるでしょうから、そんなに問題ではありません。
時代の変化に合わせて、自分なりに考えて事業所得を作ると良いでしょう。

しかしながら、問題があります。
先日このようなツイートをしました。
医者以外の事をしたいから医者として安定したい
→そのために勤務医としてのスキルを磨く
これやってると時間が足りないし、結局その「スキル」もすぐ腐る(コモディティ化する)。
医者一本で行くのか、複合的にするのか。
最初にどちらの道を進むのかを決めなければならない気がする。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) August 27, 2019
この矛盾、お分かり頂けるでしょうか。
医師1本でやっていきたくないから、まずは医師としての地位を安定させよう
と思ってリソースを注ぎ込むと、結局医師以外の仕事を複合展開する時間が無い。
いつの間にか時間が過ぎて、ソコソコの普通の中堅勤務医になってしまいます。
こうならないためには、早めの判断が必要です。
医師を極めつつ、同時に別の事も並行してできてしまう人は、最強です。
そのまま突き進んで下さい。
でも普通の人間が
- 勤務医を最前線でやりつつ
- 他の事業を展開しつつ
- 年齢的に結婚して子育てもする
なんて、無理です。
どれかを犠牲にするしかありません。
僕の場合、正直なところ「一流の医者になる」道は外れました。問題の無いレベルではありますが。
何かを得るには、何かを捨てなければならない
誰かが言っていた気がします。
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