医学を選んだ君に問うー資本主義ver

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医師を目指す君にまず問う。高校時代にどの教科が好きだったか?物理学に魅せられたかもしれない。しかし医学が大好きだったことはあり得ない。日本国中で医学を教える高校はないからだ。ちなみに僕は数学が好きだった。

高校時代に物理学または英語が大好きだったら、なぜ理学部物理学科や文学部英文学科に進学しなかったのか?物理学に魅せられたのなら、物理学科での授業は面白いに違いない。

数学がいくら好きでも、数学で飯が食えない事くらい、高校生ならば誰にでもわかる。義務教育の科目の好き嫌いで進学先を決め、経済合理性を無視するのは、実家がよほど裕福でない限りは許されない。そう、資本主義社会ならね。

君自身が医学を好むか嫌いかを度外視して、医学を専攻した事実を受容せねばならない。結論を急ぐ。

授業が面白くなかったら、無理すんな。進級できればオッケー。

とりあえず進級できる程度の努力をベースで走らせておいて、残りは別の何かに使う方が良い。医学を選択したのが「面白いか面白くないか」ではないのなら、余計に。「経済的に恵まれ安定しそう」という事を理由に医学を選択したならば、最優先されるのは「医師免許の取得」である。目的を見失ってはいけない。面白いか面白くなんて、よく考えたら全く関係ないよ。何言ってんの。

医学が君にとって面白いか否か全く分からないのに、別の理由(動機)で医学を選んだのは君自身の責任である。だからこそ、その「別の理由(動機)」が最優先されるべきだ。医学が面白いか面白くないかなんて、気にする必要はこれっぽっちも無い。

少しだけ医学に興味があった、という時期もあるかもしれない。気の迷いだ。カッコ良いもんね、「医学に興味がありまして」とか言うの。言いたかっただけだよ。わかるよ。

次に君に問う。人前で堂々と医学を選んだ理由を言えるか?万一「将来、経済的に社会的に恵まれそう」以外の本音の理由が想起できないなら、君はダンテの「神曲」を読破せねばならない。それが出来ないなら早々に転学すべきである。

ーというのは冗談だ。ダビデ?あのチ◯コが小さい彫刻の?かみきょく?名曲って事?読むの?よくわからん。今度カラオケで歌って。

読むと言えば、オススメの本はやはりマルクスの「資本論」だ。資本主義の全てが詰まっている。原著は無駄に長くて難解なので、まんがで軽く読む事から始めるのが良い。

さらに問う。奉仕と犠牲の精神はあるか?僕には全く無い。他の医師が奉仕と犠牲をはらっている中、美味い肉を食い、美味いワインを飲み、良い女を抱く。最近はそれにも飽きてきたので、自分の本当に好きな事をする。最近は格闘技とポーカーに注力している。仕事も多角化してきた。後ろめたさみたいなものは、1ミリも無い。なんでだろう。

医師の仕事はテレビドラマのような格好のいいものではない。重症患者のために連夜の泊まりこみ、急患のため休日の予定の突然お取り消しなど日常茶飯事だ。僕は1回もやった事が無い。死にいたる病に泣く患者の心に君は添えるか?僕には全くできない。けれども医師免許のおかげで不動産買えて、毎月お家賃貰ってる。貰ったお家賃握り締めて、街へ繰り出すんだ。満足してるよ。

君に強く求める。医師の知識不足は許されない。

知識不足のまま医師になると、詐欺に合う。高金利のローンで、変な不動産買わされる。わけのわからん保険買わされる。ゴリラみたいな営業マンに囲まれて、気がついたら印鑑押してる。知らない商品の適切な購入判断は不可能だ。知らない商品を理解出来るはずがない。そして自責の念がないままに「よく分からないけどお金が無いんだよねアハハ」と言って恥じない。

こんな医師になりたくないなら、「よく(医学だけを)学び、よく遊び」は許されない。医学生は「よく(経済を)学び、よく(経済を)学び」しかないと覚悟せねばならない。この「経済を学ぶ」の中には多分な要素が含まれており、いわゆる座学だけではもちろん無い。

医師国家試験の不合格者はどの医学校にもいる。全員が合格してもおかしくない医師国家試験に1,2割が落ちるのは、医師という職業の重い責任の認識の欠落による。

ーというのは冗談だ。医師国家試験って相対評価なんでしょ?ゲームマスターの気まぐれに過ぎない。お国の匙加減ひとつで、どーにでもなる。医学生は踊らされてる側だ。ダンサーだ。DJは国。

君自身や君の最愛の人が重病に陥った時に、勉強不足の医師にその命を任せられるか?医師には知らざるは許されない。お金が無くて、休日を削って働いてロクに寝ていない医師に、その命を任せられるか?医師に「お金が無い」は、もっと許されない。どちらかといえば、知識不足よりも睡眠不足の方が、ミスを誘発するでしょ。経済合理性を無視した医師になることは、身震いするほど怖いことだ。

最後に君に願う。医師の歓びは3つある。その1は自分の医療によって健康を回復した患者の歓びがすなわち医師の歓びである。その2は世のため人のために役立つ医学的発見の歓びである。その3は銀行がお金をいっぱい貸してくれる。金利も安い。

今後君が懸命に心技の修養に努め、仏のごとき慈悲心と神のごとき技を兼備する立派な医師に成長したとしよう。君の神業の恩恵を受けうる患者は何人に達するか?1人の診療に10分の時間を掛けるとしよう。1日10時間、1年300日、多分5年もしたら飽きるから、延べ9万人の患者を診られる。めちゃ多いじゃん。すげー。

インスリン発見前には糖尿病昏睡の患者を前にして医師たちは為すすべがなかった。しかしバンチングとベストがインスリンを発見して以来、インスリンは彼らが見たこともない世界中の何億人もの糖尿病患者を救い,今後も救い続ける。ハンチントンさん、ペストさん、ありがとう。

その1の歓びは医師として当然の心構えである。でもすぐに慣れる。飽きる。人間って怖い。その2の歓びもぜひ体験したいという強い意志を持った人に、医学の未来は任せよう。その3の歓びは医師免許をコピーして銀行に持っていけば、割となんとかなる。お金貸してくれや、家賃欲しいんや。正直に銀行員に話そう。心の真の平安をもたらすのは、名声でも地位でもなく、安定したキャッシュフローなのだ。

元ネタ:http://www.f-take.com/kindai-kawasaki.htm

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