勤務医と言うと、安定した職業の代表のように、世間一般には思われています。
合コンでも
えっお医者さんなの!?安定して稼げるし最高だね
みたいな事を言われます。
勤務医=安定。
この式は、本当に無条件で成り立つのでしょうか?
勤務医の安定は幻想である
結論から言ってしまえば、勤務医の安定なんてものは、幻想に過ぎないと僕は思っています。
理由は
- 国は医療費を削減したいから
- 日本の人口が減るから
です。
まず大前提として、勤務医の給料の源泉は医療費です。
国が病院に支払う医療費から、勤務医の給料は支払われています。
しかしながら国は医療費を削りたくて削りたくて仕方がないので、病院に支払う医療費は削られる方向へ圧力がかかります。
そうなれば、当然勤務医の給料は削られます。
勤務医としての給料が削られても、勤務医でしかお金を稼げない人は、勤務医として働き続けるでしょう。文句は言うかもしれませんが。
医師の給料も看護師の給料も、結局その値段で労働力を売ってしまう奴がいる限り、絶対に上がりません。
今より医師が増えて仕事が当直が減って仕事が楽になって、年収800万円くらいなら働くって言う医師が、それなりにいそうだと思えるのは僕だけでしょうか。 pic.twitter.com/sRu9F3eCRl
— Dr.ラス (@3n4rs) May 10, 2020
さらに、日本では人口減少が始まっており、当然ながら医療を受ける患者数も減ります。
需要が減るので、「勤務医の労働力」という供給を減らす事でバランスします。勤務医としての労働力を減らす事は、最終的に勤務医の給料の減少圧力になります。

日本における勤務医という職業は、まさに衰退産業です。
勤務医ならば、30年、40年と安泰だ。安定だ。
この考え方は、明確に間違いで、幻想に過ぎません。
勤務医と開業医、どっちが安定なのか
勤務医と開業医、どちらが安定かという議論もあります。
勤務医も開業医も、上記のように
- 医療費削減の圧力
- 人口減少による需要と減少
の影響を強く受けます。利益の源泉は同じです。
違いはたった1つで、開業医は借金をして経営にレバレッジをかけているという点です。
勤務医をフツーにやるより、うまくいく開業医の先生もいれば、そうでない開業医の先生もいらっしゃいます。
最近、開業医やってみたけどダメでした: 勤務医から開業医になっていまはフリーターですという本を読みましたが、やはり経営には向き不向きがあるな、というのを痛感しました。
開業医やってみたけどダメでした: 勤務医から開業医になっていまはフリーターです
つまり、勤務医としての経済的な恩恵を100とした時に、開業医して150になる先生もいれば、70になってしまう先生もいるわけです。これがレバレッジ経営の効果です。
開業せずに勤務医を続けていた方が、むしろ経済的には安定していた、という先生もいるでしょう。
そういう意味では、どちらが安定しているのか、という事に関しては一概には言えません。
しかし全体としては減少圧力を受けますから
今の勤務医=100
成功開業医A=150
失敗開業医B=70
という経済的な恩恵も、20年後には
未来の勤務医=70
成功開業医A=130
失敗開業医B=60
とかになっている可能性は、大いにあります。
結論を言うと、経済的な期待値としては開業医Aが最も高いです。
開業医Aになるためには開業をするしかありませんが、必ずしも開業すれば全員Aになれるわけではないのと、全体としては縮小していくため、すなわち「安定」というわけではありません。
逆に言えば、ここ10年くらいは何もせずに割と安定していると思います。10年は、次の手を打つには十分過ぎる時間です。
勤務医の不安定さをヘッジせよ
勤務医の不安定さは、すなわち
- 国に給料の源泉を握られている
- 需要は減少する
事から来ています。
そこで僕は、これらの要素を排除した、別の収入を確立させるのが必要だと考えています。
弊社ではインターネット広告事業、不動産賃貸業を行なっています。
インターネット広告市場は、10年連続で年率10%の成長を遂げており、今もなお拡大が止まらない市場です。
不動産賃貸業は、人口減少および世帯数減少に伴い、日本では今後厳しくなる産業ではありますが、僕なりのビジョンを持って参入しています。
- 関連記事:衰退産業である不動産業界に参入した理由
勤務医、ネット広告、不動産。
とりあえず3つの車輪を作り上げる事には、20代のうちに達成しました。今後はこれらの車輪を鍛えつつ、別の車輪を追加していく予定で、1つは既に動き出そうとしています。
一輪車よりも二輪車、二輪車よりも三輪車の方が、安定します。
勤務医という、実は不安定な仕事を、別事業によって安定させる。
これが今後、本当の意味での「安定」に繋がってくる。
安定とは与えられるものではなくて、作り出すものだと、僕は考えています。