数ある不動産投資の中でも、戸建賃貸投資は失敗しにくい投資だと言われています。
なぜか。
それは戸建の売主が個人である場合が多く、個人が売主の場合、何かしらの理由で売りを急いでいる場合があり、その場合は圧倒的に安く買う事ができるからです。
不動産投資において、安く物件を買う事ができればどうあがいても失敗できません。
特に戸建の賃貸の場合、実需という観点からも値段と立地次第では売却が容易です。
という事で、先日土地として売られている「戸建付き土地」を内見に行きました。
そこでの小話です。
戸建付き土地、約900万で値切ればイケそうな物件
以下が物件スペックです。
- 土地75㎡ 路線価10万円/㎡
- 木造2階建て 築37年 延べ床面積65㎡
- 再建築時セットバックを要す
- 価格証明書では土地が600万、建物100万
話を聞くと、大体解体費用は100万円ほどらしいです。
つまり売る側からすれば、700万以上で買ってくれれば良いかなくらいでしょう。土地が600万だとするならば、700万で売れれば、売主が解体費用100万を負担するので「600万の土地」と現金600万を交換できる事になりますから。
この物件、国道近くにあって大きな駅も近く、土地としてはかなり良い位置にあるんです。
しかもセットバック要すと書いてありましたが、実際に見に行ってみるとセットバックは必要なさそうです。測量図が間違えていたようでした。
ただ駐車場が軽1台分くらいしかないため、門と庭を潰して駐車場にする作業が必要になりそうです。
売主さんもなかなか売れずに困っているみたいで、値切れば値段次第でアリかな、と思っていました。
戸建の内見、水道をひねってみるに越したことはない
多少痛んでいる部分もありますが、中はそこそこ綺麗です。
雨漏りの痕跡もなし。
床下を覗くも蟻道がなく、僕が強めに踏んでも凹む場所がありません。木造戸建賃貸の最大の敵はシロアリですが、その心配はなさそうです。
風呂場は古いままですが、それほど汚くもありません。トイレも綺麗。
軽くリフォームすれば使えそうではあります。
窓の立て付けも問題なく、キッチンしたも問題なし。
大きな問題はなさそうに見えた、その時でした。
脱衣所の洗面台の下を覗き込んでいると、少し排水ホースの根元が痛んでいます。
触ると柔らかい。
少しカビ臭いにおいがします。
排水が漏れているのか?と思い、不動産屋さんと売主さんに尋ねてみると、確かにそこは多少漏れがあると。
でも洗面台なんて3万円くらいで変えてしまえば治りますから、別にどうってことありません。
すると売主さんが唐突に
あの、、水が、ジャーーってするんですよ、水を流すと、ジャーって音が聞こえるの
と言いだしました。
おいおい、ここに来て何かあるのかよと思いながらも、話を聞いてみても何を言っているのかわからなかったので、売主さんに頼んで水を流してもらいました。
確かに聞こえる、ひたすら「ジャーーーーー」という音
水の元締めを開け、蛇口をひねります。
最初は水道管のサビと一緒に水が流れます。
次第に水は綺麗に。
足元の排水を見ますが、明らかに周辺に漏れている感じはありません。
何が問題なのかわからなくて、売主さんに
何が問題なんですか?
と聞いてみると
音が聞こえませんか?
とおっしゃいます。
耳を澄ましてみると…確かにどこかから、ジャーっと水が地面を打つような、音が聞こえます。
どこから音がしているのかを探すと、外から聞こえてきます。
ここでピンと来ました。
もしかしたら、水道管が破損しているのではないか?
水道管の破損位置を確かめるために、蛇口を止めてみます。
すると、蛇口をひねっていた時間(1分くらい)に対して、5分経過してもジャーーーという音は鳴り止みません。
つまり、蛇口より下の水道が壊れているわけではなさそうです。
蛇口より下の水道が壊れているのなら、蛇口を通過した水の量以上の水が流れるのはおかしいからです。
この時点で、蛇口まで来る上水道管が破損している事が疑われます。
次に水道の元栓をしめてみます。
すると…止まりました。
これで確信しました。水道の元栓から蛇口までの上水道のどこかが破損していて、そこから水が漏れ続けています。
水道管が破裂している戸建賃貸
売主さんに尋ねてみると、ここ最近は毎月1万円弱、余分に水道代がかかっていたそうです。
全部漏れている水ですね。
1日の終わりに水道の元栓を締めて、水漏れを止めていたそうです。
このやり方だと夜のトイレが大変そうですが、幸いにもトイレがタンク式だったので、水洗に使う水はタンクに汲み上げられている分で足りるというわけでした。
水道管の破裂は、それそのものもどれくらいの工事になるかわからない上に、費用も不明。さらに漏れた水によって床下の木材がどう痛んでいるのか、想像が及ばなかったので購入は見送りました。
戸建賃貸を考えるなら蛇口はひねろう
今回得た知見は、戸建を買うなら蛇口をひねろうという事です(笑)。
あやうく死ぬとこでした。
しかし売主さんも事の重大さを理解していなかったようで、土地として売るしかないと諦めてくれました。
安定感があるはずの戸建賃貸ですが、集合住宅とは違った「独特の落とし穴」があるようです。
つまり、集合住宅では誰かが気づくだろうが、戸建だと売主が知らない(もしくは知らないフリ)をすればわからない欠陥が潜んでいる可能性がある、という事です。
シロアリによる家の傾き、今回の水道管の例のように。
今回の学び
- 戸建賃貸の内見では蛇口をひねろう