少し前に
医師の給料は下がるよね
という話がTwitterで話題でした。
この話題に対して、以前の僕だったら割と敏感に反応していたでしょう。
今回は、正直どうでもいいと思っていました(笑)
僕なりの意見を解説します。
医師の給料は下がるのか
まず大前提として「医師の給料が下がる」という命題の根拠は、どこにあるのでしょうか。
それは、国が発表している、医師の需給モデルです。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000203368.pdf
このデータはかなり精緻に計算されていて
- 医師1人あたりの労働時間
- 女性医師の増加率
もパラメータに含まれています。
医師人数が相対的に増加すれば、医師1人あたりの労働時間は減少するはずですからね。
それらをふまえた上で、需給バランスは2028年に均衡、遅くて2033年に均衡するというモデルが発表されています。
需給バランスが逆転するという事は、医師が相対的に余るという事になります。
医師が相対的に余るならば、給料が減るだろう
というのが仮設の根拠です。
医師の給料の低下を止めている要素
このようなツイートをしました。
日本の保険診療は人口減も相まって需要減が確実ですが、美容医療は年率10%で市場拡大中。
医師の給料の上昇圧力として、調節弁的な役割を担ってくれていると思いますね。
逆に言えば、美容市場の拡大による恩恵を間接的に受けて、医師の給料は今の水準です。
— Dr.ラス (@3n4rs) September 1, 2020
医師の給料を上昇させる、低下を止めている要素として、美容医療業界があると思います。
国民皆保険の外に医師が流れ、そちらから得る給料がそれなりに高いのは、医師の給料に対しては上昇圧力です。
国のモデルでは、厳密には
- 美容医療に進む医師の人数
- 美容医療に進んだ医師の平均年収
辺りも、実はパラメータとして加える必要があると思います。
国民皆保険の医療に携わる医師の給料が下がると、相対的に給料が高く見える美容医療に進む医師も増えるはずだからです。
医師人材の、自動調節弁になるはずです。
医師の給料が下がるのは、実はどうでもいい
僕としては、正直なところ「医師の給料が下がる」という話は、無視できる話だと思います。
このようなツイートをしました。
仮にあと10年で医師が余るとして、あと10年もあるんだから別にどうでも良いですよね。
10年もの時間があって何も対応できないような人材は、淘汰されて然るべきかと…。
— Dr.ラス (@3n4rs) September 3, 2020
医師の給料は確かに下がるのかもしれない。
それは早ければ10年後、遅ければ20年後かもしれない。
そこを強く否定する理由は、特別ありません。データ上も、肌感覚的にも、おそらく真だと思います。
少なくともこうなる前提で動けば問題ありません。
僕としては、このデータを見て、かなりポジティブな感情が芽生えました。

と。
あと10年も時間があるなら、何かしら対応策を打てますよね。
国民皆保険の外に、収益の柱を作り出せば良いわけです。
縮小する国民皆保険のパイを奪い合う、血で血を洗う争いから抜け出す、ただそれだけ。
ただそれだけの事を、10年かけてもできないようでは、はっきり言って「元から救いようが無い」でしょう。
そういう意味で、医師の給料減少は無視できる現象です。
10年かけて各々が議論し、行動し、対応策を打ち出し実行する。
楽しいですよね?ワクワクします。
むしろこの変革の時期は、人生に潤いを与えてくれると僕は思います。
10年後に、各々がどうなっているか、答え合わせをしましょう。
お医者さんは医師余りによる給料減より、高所得者への増税による手取り減を恐れた方が良いと思います😇笑
— Dr.ラス (@3n4rs) September 3, 2020