医局で休憩していると、他の先生の会話が嫌でも耳に入ってきます。
その中でも結構盛り上がるのは、お小遣いの話です。
新婚の医師に対して

と上司が質問して、そこから話が進んでいきます。
他にも

とか

とか。
結構、お小遣い制を敷かれている勤務医って多いんですよね。
お小遣い制が勤務医を貧乏にする
僕はこの「お小遣い制というシステム」は、最悪のシステムだと思っています。
なぜならばお小遣い制を採用すると、まず間違いなく貧乏一直線だからです。
なぜお小遣い制は勤務医を貧乏にするのか?
理由は大きく分けて2つあります。
- 家計におけるお金の流れを把握しなくなるから
- 努力をしても「もらえるお小遣い」が不変だから
の2つです。
1、お小遣い制により「お金を家計レベルで見る」事をしなくなる
お小遣い制になると、家計レベルでのお金の管理は、全てパートナー任せです。
むしろ全てパートナー任せだからこそ、お小遣い制にされたのかもしれません。
本来であれば家族とは、1つの経済活動を行う最小単位のチームです。
普通は大人2人、夫と妻が家計について考えます。
- 減らせる支出は無いか
- 増やせる収入はあるか
- いくら余剰資金を蓄積すべきか
など、大人2人が知恵を出し合って家計は維持されるべきです。
それを相手1人に任せっきりでは、良くなる家計も良くなりません。
以前、別の記事で貯金ができない勤務医の話をしました。
時間別のキャッシュフローを把握できないのが原因だ、と述べましたが、今回はそれ以前の問題です。
家計のキャッシュフローを把握するどころか、家計そのものを把握するつもりが無いのですから…。

2、お小遣い制により「お金を増やす戦略」が失われる
先日以下のようなツイートをしました。
お小遣い制を敷かれている勤務医同士が、医局で話していた。
彼らは毎月支給される「お小遣い」という一種のベーシックインカムにより、税金や投資などの「お金に対する思考」が無くなっている。
どれだけ稼いでもお小遣いは増えないから。
資産形成に対する戦略が失われ、当然実行も伴わない。
— ラス@お金の外来 (@3n4rs) 2019年5月28日
お小遣い制とは、もらう側からすれば一種のベーシックインカムなんですよね。
自分は一切家計を気にせず、ただ毎月支給されるお金を待つのみ。
それでも毎月、一定額が必ず支給されます。
頑張って働いて、給料が増えてもお小遣いは変わらない。
節約して家計を助けても、お小遣いは変わらない。
この環境が、お小遣いをもらう側から
努力の範囲内でお金を増やそう!
という思考を奪います。
お小遣い制×勤務医=貧乏、の方程式から脱出する方法
上記のような問題を解決するには
- 家計の余剰資金の15%をお小遣いとする
など、お小遣いを「家計に対する一定割合により支給」という制度に変える方法があります。
この制度を採用すると、家に入る余剰資金が増えれば、お小遣いも増えるので
節約しよう
休日も働こう
何とか税金を安くしよう
と、家計を改善する方向への意欲が増すからです。
そうなれば、例えば税金対策へ興味が出てきたり
節約に興味が出てきたり
するでしょう。
結果的に家計は改善されます。
家計の改善以上に、お小遣いが増えた結果家計が悪化、という事にならないように注意!
また投資や副業など、少しでも稼ぎを増やす方向へと意欲が傾くはずです。
今まで興味がなかった株や不動産について、勉強したいと思うかもしれません。
毎月一定額のお小遣い制度を採用している家では、1度検討してみてはいかがでしょうか。
本当に存在する「貧乏な勤務医」という負け組
とは言っても
お医者さんなら流石に「貧乏」とまではいかないんじゃないか?
と思っていた時期も、僕にはありました。
僕の先輩で、こんな人がいます。
- 40代男性、勤務医
- バツイチ既婚
- 前妻とその子供に養育費支払い中
- 今妻との間にも子供あり
- お小遣いは毎月3万円(昼食代込み)
どうでしょうか。
キッツくないですか。
医者でこれは間違いなく貧乏、負け組です。
もちろん、上記の場合は離婚と養育費というのが大きな要因の1つではあります。
勤務医の離婚と養育費についてはこちら。
にしても、良い年の医者がこれですよ。
飲み会にも来れないんですよ、お金がないから。
勤務医で貧乏、負け組という人種は、本当に存在します。
まとめ
お小遣い制を採用すると
- 家計を考えない
- 家計を改善する意欲が湧かない
という理由から、家計改善圧力が低下。
結果的に家計は良くならず、貧乏になる可能性が高まる。
改善するには、毎月一定額の支給を廃止し
- 毎月の余剰金に対しての一定割合
をお小遣い制にすると、家計改善圧力が高まるのでオススメ。