不動産投資の初心者、始める人にとって最も恐ろしい事が、最初の物件選びを失敗する事ですよね。
可能であれば師匠的な存在がいれば良いですが、中々難しいという人もいると思います。
ここでは、僕が1棟目のアパートを購入するまでに気をつけた事について語っていきます。
不動産投資初心者の僕が、最初の物件選びで失敗しないために気をつけた事
僕は家族に不動産業界の人もいなければ、不動産業界で働いた事もありません。
まあ一言で言えば、素人でした。
そこで本を100冊くらい読んで、勉強した事を全てまとめて1つの資料にし、その資料を元に物件を探し、内見し、交渉し、最後に購入まで至りました。
そんな不動産投資初心者だった僕が、最初の物件選びで失敗しないために気をつけた事は
- 毎月のキャッシュフローがある程度プラスになる値段で買う
- プラスのキャッシュフローは一定率で貯蓄しておく
- 可能ならば積算価格以下で買う
の3つです。
不動産投資における「3つの失敗」
そもそも、不動産投資における「失敗」とは何なのでしょうか。
僕が思うに、それは
- 毎月キャッシュフローがマイナスで、売却もできない
- 急な修繕の機会があっても資金が足りない
- 良い物件があっても買えない
の3つだと思います。
将来的に人口が減り、家賃が下がってしまいキャッシュフローがマイナスに転落する、というリスクも1番目に含まれます。
逆にこの3つ以外の偶発的な理由、例えば隕石が落ちて物件が大破したとか、火事で跡形もなく焼けたとか、その辺のリスクに関しては保険でヘッジして目を瞑るしかありません(笑)
そんな事心配してたら、何もできません。電車にも乗れないです。
入居者が夜逃げするとか、家賃滞納するとかは保証会社を挟めば基本リスクヘッジできます。
以上から、不動産投資における失敗とは上記の3つだと僕は考えます。
この「3つの失敗」を回避するために
- 毎月のキャッシュフローがある程度プラスになる値段で買う
- プラスのキャッシュフローは定率で貯蓄しておく
- 可能ならば積算価格以下で買う
事が重要になってきます。
キャッシュフローがある程度プラスならば、不動産投資がいきなり失敗にはならない
毎月のキャッシュフローがある程度プラスであれば、とりあえず失敗は回避できています。
例えば毎月20万家賃が入ってきて、12万返済して8万円手残りがあれば、年間96万円はプラスのキャッシュフロー。
この状況をキープし続ければ、ローンを返済しつつ手持ちのお金は増える一方なので、お金の流れ的には成功です。
しかしながら、毎月20万の家賃が入ってきて、19万返済して1万円が手残りであれば、これは失敗に近いでしょう。
月1万円、年間たった12万では、退去によるリフォームや修繕で消えてしまうはずです。
これで物件の売却ができないとなると、ローンが返済し終わるまでポケットマネーからお金を出し続けなければなりません…
まさに不動産投資失敗のパターン1である
- 毎月キャッシュフローがマイナスで、売却もできない
に当てはまってしまいます。
物件を売却できるかどうかは、その時の景気に左右されるんで、売却ありきで物件を買うのはどうかな…と僕は思います。
さて、キャッシュフローがある程度プラスであるならば、不動産投資はいきなり失敗にはなりませんが、その「ある程度」がどれくらいか、という感覚は持つべきです。
概ね「年間の手残り収入=借入総額の2〜3%程度」というのが、キャッシュフローにおける「ある程度」の相場だと言われています。
先ほどの例で言えば、物件価格が3000万までであれば、年間96万は物件価格の3%以内に収まっている計算になりますね。
不動産投資をいきなり失敗させないためにも
- 毎月のキャッシュフローがある程度プラスになる値段で買う
事は、最優先で意識されるべき項目です。

キャッシュフローがプラスでも不動産投資が失敗するパターン
ではキャッシュフローがプラスでも、不動産投資が失敗するパターンはあるのでしょうか。
ズバリあります。
具体的には
- 自然災害など不可抗力で無保険
- 雨漏り、孤独死などで高額な修繕費用がかさむ
など、急にキャッシュが必要になった時、手持ちのキャッシュが足りないという事態。
原因はたった1つで
- プラスのキャッシュフローを貯めておかなかった
という事。
ある程度のプラスのキャッシュフローがあれば、持ち続ける事でお金は増えます。
しかしそれを全て使い込んでしまうと、当たり前ですがお金は増えません。
たまにいるみたいです、勢いで車買ったり、キャバクラで遊びまくったり…
いくらプラスのキャッシュフローが「ある程度」あっても、それを貯めて将来の修繕機会へ備えておかなければ、急な出費へ対応できません。
保険でカバーできる部分もありますが、そうでない部分もあります。
まさに不動産投資の失敗パターン2である
- 急な修繕の機会があっても資金が足りない
に当てはまってしまいます。
これを防ぐためにも、概ね「年間キャッシュフローの20%程度」は、修繕用の積立金としてプールしておくと良いでしょう。
これが2つめの注意点の
- プラスのキャッシュフローは定率で貯蓄しておく
です。
不動産投資初心者だった頃、過去の自分が犯したミスで物件が買えない?
良い物件を見つけて、内見してもオッケーで、ぜひ買いたいと思ったとしましょう。
しかしながら、銀行の融資が降りずに買う事ができなかったとなれば、それは大きな機会損失です。
不動産投資における失敗の3つめは「良い物件があっても買えない」です。
こうなってしまう事の原因は、まさに銀行からの債務超過が原因です。
債務超過にならないために、積算価格以下で買おう
銀行は不動産投資家にお金を貸してくれますが、対象となる不動産を担保に入れる事になります。
この時に銀行側が考える「対象となる不動産を売るとすればいくらで売れるか」という価格が、積算価格です。
例えば積算価格が3000万円の物件に対して、3000万円の融資を銀行側がしたとします。
銀行側からすれば、もし仮にローンの返済が滞って担保である物件を回収したとしても、その物件は売れば3000万で売れるはずですから、リスクが低くなるわけです。
3000万円の価値がある「土地+建物」と、3000万円の価値がある「日本円」を交換しているだけですから、当たり前ですね。
一方、積算価格が1500万円の物件に対して、3000万円の融資を銀行側がしたとします。
この場合、もしローンの返済が滞って担保である物件を回収したとしても、売ったら1500万にしかならないわけですから、銀行側からすればリスクを負う状態になります。
この状況を債務超過と呼びます。
仮に債務超過になったとしても、医師や弁護士、大企業サラリーマンなど給与所得が高い人は「その人間そのもの」に経済的信頼がありますから、貸してくれる銀行もあります。
しかしながら、そうでない場合は追加の担保を求められるでしょう。
もしくは頭金を拠出させ、ローン総額を減らして債務超過分を少しでも減らそうとするでしょう。
つまり銀行側が評価する不動産の価格に対して、大幅にローン総額が大きい場合、基本的には
- お断りされる
- ローン総額を減らされる(頭金の投入、担保追加)
- 融資は降りるが、自分の給与所得が実質担保になる(医師、大企業サラリーマンなど)
のどれかになる可能性が高いと言えます。
債務超過=不動産投資は失敗、では無い
この債務超過の何が問題か。それは新しい物件を購入できなくなる事です。
特に最初の1棟目で債務超過があまりに激しいと、物件を買い進めるのが困難になります。
債務超過の物件に対して融資が降りた場合、それは
- ローン総額を減らされる(頭金の投入、担保追加)
- 融資は降りるが、自分の給与所得が実質担保になる(医師、弁護士、大企業サラリーマンなど)
のどちらかです。
1の場合、追加の担保が必要になりますが、過去に債務超過の状態で購入した物件は、当たり前ですが担保価値が低いわけです。
例えば1500万の積算価格に対して、3000万のローンを組んだとして、担保の価値としては少なくとも1500万円以下になります。
組んだローンの割に担保価値が出ない物件を買うと、その物件を担保に物件を買うのは難しくなります。
2の場合、おそらく2棟目くらいまでは購入できますが、それ以降が難しくなります。
なぜならば、いくら医師や弁護士、大企業のサラリーマンの給与所得が高くても、物件が増えるにつれて相対的に給与所得が小さく見えるからです。
例えば1500万の積算価格に対して、3000万のローンを組んだとして、1500万の債務超過です。
これならば医師、弁護士、大企業のサラリーマンの年収1年分くらいです。何かあってもすぐに回収できますね。
1年タダ働きさせれば良いわけですから。
しかし例えば5億の積算価格に対して、8億のローンを組んだとします。3億の債務超過です。
これだといくら医師、弁護士、大企業のサラリーマンとはいえ、何かあった際の補償として彼らの給与所得を担保にしても、対応できない可能性の方が高そうです。
このように、高属性の人は多少の債務超過でも物件を買えてしまいます。
しかし将来本気で不動産賃貸業をするにあたって、繰り返す債務超過は自分の首を絞める事になるでしょう。
そのため
- 可能ならば積算価格以下で買う
事は、非常に重要です。
債務超過=即失敗、ではありません。
仮に積算価格以下で買うことができなくても、大幅に超えないよう注意しましょう。
物件の積算価格を計算する方法
積算価格の計算方法は簡単です。
積算価格=土地+建物
です。
土地の値段は、国が定めた路線価によって決定します。
国税庁のページで調べるか、Googleで「住所+路線価」で検索しても出てきますよ。

建物は少し複雑です。
建物の積算価格は
建物の積算価格=再調達価格 × 延べ床面積 ×( 残耐用年数 ÷ 耐用年数 )
という式によって計算されます。
まず建物の延べ床面積を調べましょう。おそらく物件概要書に書いてあるはずです。
次に再調達価格を調べます。再調達価格は下記の通り。
鉄筋コンクリート(RC)・・20万円/㎡
重量鉄骨・・・・・・・・・18万円/㎡
軽量鉄骨・・・・・・・・・15万円/㎡
木・・・・・・・・・・・・15万円/㎡
次に築年数を調べましょう。これも物件概要書に書いてあるはずです。
そして耐用年数を調べましょう。物件ごとの耐用年数は下記の通り。
鉄筋コンクリート(RC)・・・47年
重量鉄骨・・・・・・・・・・34年
木造・・・・・・・・・・・・22年
これらを式に当てはめます。
(例題)
土地広さ200㎡、築16年の重量鉄骨の物件の積算価格を計算せよ。なお路線価は5万円/㎡、建物の延べ床面積は220㎡とする。
土地=200×5
=1000万円建物=18×220×(18/34)
=2096万円積算価格=土地+建物
=3096万円
という事で、3000万円前後なら債務超過にはならない計算です。
気になる物件があれば、必ず積算価格は自分で計算しましょう。
まとめ
不動産投資の失敗は
- 毎月キャッシュフローがマイナスで、売却もできない
- 急な修繕の機会があっても資金が足りない
- 良い物件があっても買えない
の3つがあります。
これらを防ぐためには
- 毎月のキャッシュフローがある程度プラスになる値段で買う
- プラスのキャッシュフローは一定率で貯蓄しておく
- 可能ならば積算価格以下で買う
事が重要。