医師のワークライフバランス。
医師として働いていれば、あるいは若手医師ならば学生時代から言葉だけなら聞いた事があるのではないでしょうか。
昨今の医療業界は、様々な変化に満ちています。
具体的には
- 女性医師の増加
- 医療費の削減方針
- 増加する高齢者
- 医師の働き方改革
などです。
この変化に満ちた昨今の医療業界において、医師がワークライフバランスを保つ方法について、考えていきます。
医師が「ワークライフバランスを保つ」とは
そもそも、医師がワークライフバランスを保つという事の定義は、一体何でしょうか。
Wikipediaによると、ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」という意味だそうです。
つまり、医師のワークライフバランス「保つ」とは
- 医師としての労働
- 人間としての生活
これらが調和し、医師本人が「丁度良い」と感じる状態を指し示すと言って良いでしょう。
では、医師がワークライフバランスを保つ事とは、具体的に一体どういう事なのでしょうか?
医師のワークライフバランスを「保たなくて良い」人
いきなりですが、こんな医師がいたとします。
三度の飯よりも手術が好きで、医師として働く事がとにかく大好き。結婚はせず、これからもするつもりはない。暇な時間を過ごすくらいなら、医師としてとにかく働いていたい。
もしこんな医師が
国の方針で「医師のワークライフバランスを保つ」事になりました
あなたは「医師としての労働」にワークライフバランスが傾いているので、仕事をセーブして「人間としての生活」に重きを置いてもらいます
なんて言われてしまったら、どうでしょうか?
この医師は、ワークライフバランスを保つ事で幸せになったのでしょうか?
僕はそうは思いません。
医師の中には「医師としての労働」と「人間としての生活」が完全に分離していない人もいます。いわゆるワーカホリック、仕事=人生=生活、というような医師です。
彼らからすれば、医師として全力で働き続ける事が「ワークライフバランス」の最も取れた状態です。
そういう医師が、仕組みや制度に則って無理に「医師のワークライフバランス」を取らされる事は、医療現場にとっても本人にとっても不幸です。
この辺りは、一元的な対応ではなく、医師に選択権があるような形でワークライフバランスを保つ事が重要です。
医師のワークライフバランスを病院に求めるのはムリ
さて、上記のような特殊な医師を除いて、僕のような自堕落な医師が真の意味でワークライフバランスを保つには、どうすれば良いでしょうか。
例えば
- 医師のワークライフバランスを、とにかく病院に要求する
いかがでしょうか。
僕は、これは不可能だと思います。
病院が医師のワークライフバランスを意識して、有給を使わせたり、手当を厚くすると、病院経営が圧迫されます。
医師の稼働率が下がるわけですので。
となると、今ですら赤字寸前の病院経営は成り立たなくなってしまいます。
病院の収入、即ち診療報酬は、国の医療費から賄われていますが、国は医療費を削減したいので、医療費を積極的に増やす事はしないはず。
であれば、病院は医師の労働単価を上げると、経営が成り立たなくなります。
医師のワークライフバランスを一方的に病院に要求する事は、病院を
- 医師側の「ワークライフバランスを!」という声
- 国側の「医療費削減を!」という声
という2つの声の板挟みにさせてしまい、実質的には不可能でしょう。

医師のワークライフバランスを保つ方法
想像してみて下さい。
あなたが医師だとします。いきなりですが、手元に3億円がプレゼントされました。
お金についてあまり考えなくて良いので、本当にやりたい仕事をやりたいだけやって、オマケとして給料をもらいます。
- お金が欲しい人は、高い給料でガンガン働く
- お金はあまりいらない、という人はソコソコの給料で週4だけ働く
これって、ワークライフバランスが保たれている、と言えますよね。
結局のところ医師のワークライフバランスは、個人が資産さえ持っていれば達成できます。
しかしいきなり3億円の資産を得るのは、家が相当な資産家でないと難しいでしょう。
つまり、医師がワークライフバランスを保つ方法は、ズバリ
- 病院以外から、何かしらのキャッシュを得る
事です。
資産が無くても、キャッシュフローがあれば、自由に働けます。
僕はまだ20代のしがない勤務医ですが、月70万円ほどのキャッシュフローがあるので、かなりワークライフバランスを保てています。
無理に何かにしがみつく必要が無いからです。


病院にムリを言っても手に入れられないのですから、自分で手に入れるしかありません。
病院以外のキャッシュフローを得て、経済的な基盤を作り、自分でワークライフバランスを「作り出す」のが、確実です。
努力と時間は必要ですが、急がば回れ。
機を伺って、自分の時間を犠牲にしているほど、僕らの人生は長くありません。
この辺りの事については勤務医のままお金持ちになる方法にまとまっています。
まとめ
医師がワークライフバランスを保つとは、医師としての労働と、人間としての生活のバランスが、医師本人が「丁度良い」と感じる状態。
医師によってその基準は違うので、医師側に選択権を持たせる形で決定しなければならない。
医師のワークライフバランスを一方的に病院に求めても、実現は不可能(時間がかかる)。
医師は病院以外のキャッシュフローを得る事で、自分で調節してワークライフバランスを取る事ができる。