3分の1。
この数字は離婚をする確率だと言われています。
仮に結婚したとしても、3組に1組は離婚するのです。
目を閉じてじゃんけんして、自分が負ける確率と同じです。
勤務医だって例外ではありません。
もし仮に勤務医が離婚する事になったとして、気になるのが
一体どれくらいの養育費を毎月支払わなければならないのか
という事ではないでしょうか。
勤務医のような高収入の人が離婚した時、毎月の養育費はどれくらい?
さて、気になる養育費の問題ですが、まず養育費の算定方法について。
養育費は以下の4つの要素によって決まります。
- 自分の年収
- 配偶者の年収
- 子供の人数
- 子供の年齢
です。
つまり
自分と配偶者の年収差を、子供の養育にかかるお金に応じて割りふろう
というコンセプトで成り立っています。
では、養育費が増える場合はどのような場合でしょうか。
上記のコンセプトに沿うならば
- 自分と配偶者の年収差が大きい
- 子供の人数が多い
- 子供の年齢が若い
ほど、養育費は高くなります。
では、具体的にいくらになるのか。
それについては東京、大阪家庭裁判所が使用している「養育費算定表」が非常に参考になります。
いくつか例を挙げてみましょう。
例1、勤務医年収1500万×専業主婦、子供1人
30代の比較的若い勤務医の場合、こんな家が多いと思います。
この場合の子供は、15歳未満だとします。
養育費算定表によれば、この組み合わせの養育費は14〜16万円/月と計算されます。
年収1500万円の勤務医の手取り収入は、概ね85万円/月なので、毎月の手取り収入の17.6%です。
なお子供が15歳以上の場合は18〜20万円/月へと増額されます。
例2、勤務医年収1800万×パート看護師年収200万、子供2人
30〜40代で、子供が少し大きくなってきた家を想定しています。
勤務医の給料も少し上昇し、配偶者が看護師で時短勤務をしている想定です。
子供2人が15歳だとするならば、毎月の養育費は22〜24万円/月です。
年収1800万の手取り収入は、概ね99万円/月なので、毎月の手取り収入の23%です。
子供1人が15歳以上ならば26〜28万円/月、子供2人が15歳以上ならば28〜30万円/月になります。
例3、勤務医年収1500万×勤務医年収1200万、子供1人
こちらは少しトリッキーな想定で、医者カップルが旦那の浮気で早々に離婚した想定です。
いくらになると思いますか?
理論上、収入差が少ないので養育費は減るはずです。
具体的な額としては、8〜10万円/月という結果になりました。
離婚する事を考えると、配偶者の収入が高いに越した事はありませんね。
いかがでしょう。
結構高い時もあれば、そうでもない場合もありますね。
この制度の冷酷な所は、とにかく「年収の差額」に着目して「多い方が少ない方に渡す」事になっている所。
例えば女医さんがサラリーマンと結婚して離婚したとします。女医さんの方が年収が高い場合は、養育費がもらえないどころか、財産分与によってむしろ資産を奪われる側になってしまう事になります。
勤務医含めお医者さんはこと、離婚にまつわるお金のトラブルが多い人種です。
この辺りの離婚にまつわるお金の諸問題は損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)に詳しいので、読んでいない人にはオススメします。

勤務医の離婚で養育費のトラブルが多い理由
さて、勤務医含めたお医者さんの離婚は一体なぜ、お金のトラブルが発生しやすいのでしょうか?
それはズバリ
年収差が開きやすいから
です。
お医者さんは忙しい職業です。それを支える配偶者はなかなかフルタイムでは働けません。
専業主婦かパート、というのが現実です。
結果的にお医者さん側の年収はどんどん高額になる一方、配偶者の年収は低いままなので、年収差が開きます。
年収差が開くと養育費が増大、離婚に伴って動くお金の額も大きくなるわけです。
これが、勤務医含めたお医者さんの離婚がお金で揉める、最大の理由です。
- 勤務医は忙しい→配偶者は仕事を辞める→年収差拡大→養育費拡大
という事ですね。
これはあくまでサブですが、勤務医含めお医者さんの家庭は子供の数が多い傾向にあるのも、1つの理由かもしれません。
3人子供がいる家庭はザラにありますし、僕の知り合いの先生では5人も子供がいます。今時中々お目にかかれないですよね。
子供が多いと、当然養育費は増えるため、離婚によって動く金額も上がります。
以上の理由から、勤務医含めたお医者さんの離婚は、お金のトラブルが発生しやすいのです。
勤務医のような高収入の人は、離婚と養育費を想定して結婚すべし
このページを見ていて
いやいや、自分は離婚なんてしないし養育費なんて縁の無い話だよ〜
と思ってはいけません。
3分の1ですよ。決して無視できない確率です。
想定せずに動く方がおかしい。
ここからわかるリスクマネジメントとしては
- なるべく高収入の配偶者と結婚しろ
という事くらいでしょう。
つくる子供の数を減らす、という荒技もできなくはないですが、流石に養育費を恐れて子孫を残さないのは本末転倒な気もします。
となると、やはり「結婚相手としての医師」というのは1つのリスクの低い選択肢だと言えます。