不動産への融資が厳しい中、融資を通すコツ

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不動産投資において銀行の融資情勢は切っても切れない関係にあります。

融資が出なければ、不動産を買える人が少なくなり、不動産価格は下がります。

融資が出れば、不動産を買える人は増えるため、不動産価格は上がります。

これを逆手に取ると、不動産投資における融資情勢が厳しい中、融資を通して不動産を購入できれば、割安で購入できる可能性が高いです。

有利な投資になります。

 

不動産への融資が厳しい中、融資を通すコツ

不動産投資への融資情勢が厳しい中、いかにして融資を通すか。

それは

  • DCR
  • LTV

を、銀行目線で意識する事です。

ここで皆さんに質問です。

銀行が不動産投資に対して融資をする際、一体どういう条件が整えば、安全に融資ができると考えるでしょうか

それは

  1. 返済が滞らない
  2. 万が一返済が滞った時、債権回収が可能

この2つの条件が整った時です。

DCRとLTVは、この2つを吟味し「不動産への融資の安全性」を判定する上で、重要な指標です。

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不動産投資への融資を通すコツ1、DCR

不動産投資における負債支払い安全率(DCR)は

年間の返済金額の、何倍が税引き前の営業純利益として存在するのか

という考え方です。

以下の計算式で導かれます。

営業純利益(円)/年間元利返済(円)

単位はありません。比、いわゆるratioです。

DCRが高ければ高いほど、安全です。

DCRが高いという事は、年間返済額を大きく超えた家賃がその不動産からは得られている事になり、融資する銀行からすれば、融資先の返済が滞らない可能性が高まるからです。

営業純利益は

営業純利益=満室時家賃×空室率ー管理運営費

で導く事ができます。

DCRは

1.2以上=まあセーフ
1.3以上=セーフ
1.5以上=安全

とされています。

DCR≦1.2となるような返済計画は、銀行側が嫌います

実際に計算してみましょう。

 

1棟目に購入(オーバーローン)した物件のDCR

僕が実際に購入した、1棟目の物件で計算してみましょう。

条件は以下の通り。

  • 満室時想定家賃=240万/年
  • 想定空室率=85%
  • 管理運営、修繕積立=満室時の20%
  • 年間元利返済金=123万/年

営業純利益は

230万×0.85×(1ー0.2)
=156.4万

なので、DCRは

156.4万/123万
1.27倍

です。

DCRとしては、合格ラインです。

この案件は不動産投資に対する融資情勢が厳しくなった2019年でしたが、物件価格+諸費用含めたオーバーローンでした。

このように、不動産投資単独で返済が滞るリスクが低ければ、融資が厳しい時代でも、融資は降ります。

DCRは重要な指標ですので、是非覚えておきましょう

しかし例外もあります。

銀行からすれば、融資先の返済が滞らないかどうかの安全指標ですから

  • 他に安定収益がある
  • 本業の収益の安定性が高い

などという場合は、DCRが低くても融資が降りる可能性があります。

また都心部の一等地であったり、担保評価の高い土地では収益性が犠牲になっているため、一概にDCRだけでは測定されません。

そんな時に考えるのが、LTVです。

 

不動産投資への融資を通すコツ2、LTV

不動産投資におけるローン資産価値比率(LTV)とは

仮に返済が滞って債権差し押さえをした時に、融資額の何割を回収できるか

という指標です。

以下の計算式で導かれます。

借入金総額(円)/物件積算価格(円)

DCRと同様に単位は無く、比(ratio)です。

LTV≦1.0が原則です。

LTVが1を超える融資は、債権回収が不能になる可能性が高いと言えます。

物件積算価格の計算方法については不動産投資初心者が、最初の物件選びで失敗しないためにをご覧下さい。

DCRとLTVは組み合わせて考えます。

収益性を犠牲にした都心部の物件(DCRは低い)も、LTVが十分低ければ銀行は融資をしてくれる可能性があります。

地方でDCRが十分な物件でも、LTVが高ければ融資金額は抑えられてしまいます。

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収益不動産への融資が厳しい中、オーバーローンを引きました

2019年、収益不動産への融資が厳しくなる中、1棟目の物件をオーバーローンで購入しました。

条件としては

  • 耐用年数融資(20年)
  • 変動金利1.2%
  • 諸費用込みのオーバー
  • 新設法人に対する融資

です。

結構良い条件だったと思います。

購入した物件については【1棟目】初めての不動産投資、具体的な道のりに詳しく記載しておりますが、LTVとDCRは十分考慮しております。

DCRは上記の通り、1.3弱です。

LTVは、積算価格が2300万円程度でしたので

2100万/2300万円(オーバーローン)
=0.91

で、安全圏です。

価格も小ぶりで、正味の流動資産が当時1500万円ほどありましたので、まず返済に困る事はありません。

医師という属性も加味して、今回のような金利で調達できたとも思いますが、やはりDCRとLTVが安全圏という事も大きいと思います。

不動産投資への融資が厳しい中、新規参入者が新設法人で、満足のいく融資条件を引くのは難しいと思います。

とはいえ、属性は変えられません。

DCRとLTVが安全圏な物件を見つける努力はできますから、ぜひ自分でこれらを計算して、銀行が納得のいく物件を見つけて、納得させられる資料を作って、融資を勝ち取りましょう。

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